初の阿寒湖遠征
初めて阿寒湖へ遠征したのは2002年でした。
「湖のモンスタートラウト」というフライの雑誌に、阿寒湖のポイント紹介や解禁期間が詳細に書かれていたことがきっかけでした。
時期は5月の下旬です。
ワカサギの産卵時期にあたり、大型のワカサギが接岸するため、アメマスもそれを追って岸寄りする絶好の時期とのことでした。
阿寒湖に到着して最初に入ったのはボッケ周辺。
次に硫黄山川流れ込み。
ワンドと駆け上がりがあり、ここなら期待できそうと思ったが、初日はノーヒット。
阿寒湖ならトラウトは簡単に釣れるという幻想は打ち砕かれました。
二日目も硫黄山川流れ込み。
ハスルアー7gを岸と平行にリトリーブすると、小さなヤマメかニジマスがヒットしましたが、水面から出た瞬間バレたので、魚種は不明。
三日目、最終日です。
飛行機の時間があるので、12時までしか時間がありません。
まずは大島前に入りますが、遠浅でウェーダーがないと釣りになりません。
さらに東方面に進み、ガレ場というポイントに入ります。
ここは道路から森の中を10分ほど歩かなければならないので、ヒグマの生息地で森の中を歩くのはかなり怖いものがあります。
たどり着いた場所は、ワンドあり、倒木あり、駆け上がりありの魅力的なポイント。
ここなら釣れそうと確信の持てる所でした。
水深があるのでスプーンをキャストしますが、何かしっくりこない。
ワカサギの姿が見えるので、手持ちのルアーの中で一番「ワカサギっぽい」パニッシュ7センチ、黒金オレンジベリーをキャストします。
ルアーの泳ぎを見ると、思わず本物のワカサギが泳いできたのかと思うほどのアクションとサイズ感ですが、カラーに違和感を覚えます。
こんなオレンジのお腹をしたワカサギはいないよな、と思いつつも他にこれと思えるルアーはありません。
すでに時間は11時をまわり、焦りが出て来ます。
「北海道まで来て坊主か~。甘くはないな。」
その時、すぐ目の前で「ゴボッ」とライズが起きました。
すかさずパニッシュを投げ、リトリーブするも無反応。
何度もキャストし、スレさせるのも良くないと思い、横に数メートル移動し、別の角度からライズのあったポイントをリトリーブします。
すでに終了予定時刻を過ぎ、ダメかと諦めながらリトリーブしていると、何やら重い感触が。
なんとヒットしていたのです。
三日間ほとんどヒットせず、完全に諦めモードに入っていたため、魚がヒットしたことに数秒間気づかなかったのです。
そこからは無我夢中。最後のチャンスにバラしてなるものかと必死のファイト。
重量感はあるものの、それほど走るでもなく、暴れるでもなく寄ってきたのは、丸々太った又長48センチのアメマスでした。
パニッシュ7センチは口の中にスッポリ、まる飲みです。
最後の最後に起死回生のヒット。
歓喜しながら、大慌てで空港へと向かいました。
後で知ったのですが、湖の釣りで黒金オレンジベリーは定番カラーのようです。
金色は湖の水色や底の色にマッチしているのかもしれませんし、オレンジベリーはトラウトを刺激するカラーなのかもしれません。
タックル
ロッド ブリストール685L
リール 98ツインパワー2500
ライン ナイロン6lb
ルアー パニッシュ70F 黒金オレンジベリー